決定木とワイブルべき乗則とを組み合わせた電力ケーブルの劣化要因分析とその余寿命推定
鶴, 廣瀬
Kotarou TSURU, Hideo HIROSE
日本信頼性学会第15回春季信頼性シンポジウム、pp.29-32 (平成19.6.1) 日本科学技術連盟東高円寺ビル
電力機器(主に電力ケーブル)の絶縁破壊強度に対する経年劣化をモデル化するために、ケーブルなどに固有の特性値を説明変数に、絶縁破壊強度を目的変数とした回帰に対応する新しい方法を考えた。 そのために、まず地中から撤去した電力ケーブルにストレスを上昇させながら絶縁破壊試験を行い、その破壊値を求めたデータを得た。かけたストレスにしきい値(ストレスの上限)を設けると、破壊、非破壊の2値データが得られるので、これをもとに決定木による分類を行い、破壊に主に寄与する説明変数と破壊非破壊を分ける物理的な数値を得た。 分類された後のデータを用いれば、一定の経年に対する破壊確率が得られる。ここでは、安全側に対するデータ(劣化程度の大きいデータ)を用いて、ケーブルなどの寿命の予測とその信頼度について考察した。劣化に対する経験則としてはpower lawを用いた。実際に埋設されたケーブルを撤去して試験データを得たデータを用いて解析を行った結果、専門家が指摘する要因と同様の要因と同様な要因が得られ、また寿命推定値とその信頼度も得られた。
Times Cited in Web of Science:
Cited in Books:
REAJ 29, pp.246-249, 2007.7