卒業生からの研究室紹介
1998年度
制御システム工学科 情報数学大講座 廣瀬研究室 学部3年生への研究室紹介コーナー
興味のあること:
 モノや生物の寿命を統計的に知ること。「壊れて使えなくなってしまう」現象に時間のパラメータを加えたものが「寿命」です。だから、まず「壊れる」コトを定義しておいて、どんな状態なら「壊れる」、「壊れない」の差が出るのか、そこに「しきい値」はあるのか、あればどのようにとらえるか、それが分かった後寿命をどのように推定するか、が今の興味の対象である。
 そのために、まず統計的な基準を考えておいて、それに従って現象の背後にある「モデル」を推測していく。ここで、確率、統計の基礎的な知識が必要になる(心配ない。研究室のセミナーでしっかり勉強する)。推測するという行為には数値計算が必要になる。主に、「どのモデルがもっともらしいか」という計算なので、それには、「optimization」という分野の道具を使うことになる。非線形方程式の数値解法になる。この解法そのものも研究する。だから、数値解析の知識が少し必要になる(これもセミナーで勉強する)。
 その他、確率的な現象ではないが、おもしろい現象が見られる流体の計算なども取り扱うことを考えている。1000度C位の温度の気体の音速を越える付近での現象を計算しようという試み。対象は、数千アンペア、数十万ボルトのスイッチの遮断性能をとらえること。
テーマ:
 上のようなことをいっしょにやるのもいいし、自分でやりたいテーマを探してそれをやるものいっこうにかまわない。
心がけていること:
 卒研では、一つのことにまじめに取り組んで、何かが生まれるプロセスにかかわったことの喜びを味わって欲しいと思っている。
仲間:
 助手の小守先生。「確率微分方程式」の専門家。数値解析、確率論、統計、何でもできる。面倒見のいいやさしい先生。
卒業生からの研究室紹介のコーナー
廣瀬先生について:
 先生はやさしく、非常に良く面倒を見てくれる。成績弱者でも丁寧に教えていただける。ほとんど怒ることはない。先生は釣りが大好きで、釣りが好きな人なら、話は合うだろう。研究室で1時間以上釣りの話をされていくことも、たまにある。そのおかげで、ゼミが中断されたこともあった。助かった。先生はお酒は得意ではないようだ。
小守さんについて:
 小守さんは我々の兄貴的な存在で、困ったことがあったら、なんでも教えてくれる。はじめは厳しい人かと思ったが、とてもいい人だった。
 小守さんは先生とは対照的で、お酒が大好きである。最近ブームに押し流されてワインを飲まれているが、やはり一升瓶をもった姿が一番似合う。我々が英語を苦手としているのが、見るに絶えないのか、ヨッパライならが、小守さんが良く行くと思われる英会話教室に連れていってもらい、英会話を勉強させてもらったこともある。
 先生の影響か、釣りを始めるが、釣れた話は聞いたことがない。
研究について:
 はっきり言って何をやっているのか、何のためにやっているのか、さっぱりわからなかった。それはどこの研究室に行っても同じことだろう。
 やってることは、統計学でそれを数値解析的な方面から攻めるって感じだ。前期は理論的なことでさっぱりわからないかもしれないが、テーマをもらったあたりから、ちょっとずつ見えてくる。やってることがわかってきたら結構、面白いかもしれない。
 とにかく、1年間過ごして、誰もが良かったと思う研究室である。